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遺言の失敗事例
孫や世話になった人に財産を遺す
相続人以外の特定の人物に財産を残したい
(「内縁の妻」「孫」、「世話人」など)
先日、長年連れ添った夫が亡くなってしまいました。夫とはいえ、婚姻届を出していなかった為に、正式には家族ではなく
、
「内縁の妻」
ということになります。
現在、二人で住んでいた家に住んでいるのですが、このような不動産をはじめ、その他の財産を相続することが出来るのでしょうか。
当事務所の回答
これまで当事務所でも同様の相談を数多く受けてきました。
法律的には夫婦関係として認められない「内縁の妻」である場合には、「配偶者」として認められないので、相続権はありません(家を借りている「賃借権」を相続することは出来ます)。
その為に、夫が生前に遺言を書いており、遺言書が残っている場合や相続人が一人もいない場合には遺産を取得することが出来る可能性があります。
しかし、相続人がいる場合には、現在住んでいる住宅やその他の財産の所有権を主張してくる可能性が高いでしょう。その場合には、なかなかそれを覆すことが難しいのが実情です。
「内縁の妻」など、特定の人物が財産を相続する為には、大きく以下の3つの方法があります。
1. 夫が生きているうちに婚姻届を提出する
2. 生前に遺言書を書いてもらい、特定の人物が相続することを明確にする(遺留分を考慮する必要があります)
3. 特別縁故者の手続きを取る
「特別縁故者」とは、相続人不存在が確定した場合に、清算後の相続財産の全部または一部を与えられる者で、「被相続人と生計を同じくしていた者」「被相続人の療養看護に努めた者」「その他被相続人と特別の縁故があった者」がこれに該当します。
つまり、「内縁の妻」だけではなく、「孫」「世話人」などもこのケースに当てはまるといえるでしょう。特別縁故者の請求によって家庭裁判所が審判し、これが認められれば、相続人になれない人でも財産の全部又は一部を取得できます。
しかし、この手続きは手間のかかる作業でもあります。また、夫の死後、法定相続人が相続財産を主張してきた場合には相続財産を巡り、紛争に発展してしまうケースも少なくないために、生前に遺言書を書いてもらうのが最も良いでしょう。まだ、ご存命であるにも関わらず、遺言を書いてもらうことに抵抗がある方も多い方も多くいらっしゃると思いますが、そのような場合には、当事務所の専門家にご相談ください。
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